「AIで教材を作ってみたけど、なんか使いにくい」

そう感じた経験はありませんか。

生成AIは指示を出せば数秒で教材の骨格を作ってくれます。しかし、実際に授業で使おうとすると「問題の難易度がバラバラ」「解説が丁寧すぎて生徒が読まない」「見た目が読みにくい」といった問題が出てきます。

この記事では、同じ条件で依頼したAI生成教材と、プロが手直しした教材を3教科で比較します。どこが変わるのか、なぜ変えるのかを具体的に示すことで、AI生成教材の限界と代行サービスの価値をお伝えします。

比較の前提条件

各教科とも、以下の条件でAIに生成させたものをベースにしています。

  • 使用ツール:ChatGPT(GPT-4o)
  • プロンプト:学年・単元・問題形式・問題数を指定
  • 手直しの担当:教材作成代行サービス(AI生成+人間による編集)

採点や正誤の確認ではなく、教材としての設計・構造・使いやすさの観点で比較します。

中学英語「関係代名詞」 - AI生成プリントをそのまま使うと何が起きるか

AI生成版(そのまま)の問題点

AIに「中学3年生向けに関係代名詞の練習問題を10問作って」と依頼すると、文法的には正しい問題が並びます。しかし実際に見ると、次のような問題があります。

難易度が均一すぎる

全10問が同じ難易度帯に集中します。基礎確認から応用まで段階的に積み上げる設計がなく、「できる生徒にとっては簡単すぎ、苦手な生徒には最初から難しい」状態になりやすいです。

文脈のない例文が並ぶ

“The man who lives next door is a doctor.” のような、教科書的には正しいが生徒の実感と離れた文が続きます。記憶に残りにくく、定着率が下がります。

【AI生成そのまま】 The man who lives next door is a doctor.

【手直し後】 The player who scored the last goal is in our class.

同じ「関係代名詞 who」でも、後者は部活や学校生活に近い文脈のため、中学生の記憶に残りやすくなります。

解答欄のレイアウトが考慮されていない

テキストで出力されるため、解答スペースの大きさ・行間・フォントサイズの調整が必要です。そのまま印刷すると書き込みにくい状態になります。

プロ手直し版での改善ポイント

難易度の3段階設計

基礎(空欄補充)→ 標準(並び替え)→ 応用(英作文)の順に構成し直します。苦手な生徒が最初の数問で「できた」と感じられるよう設計することで、最後まで取り組む意欲につながります。

生徒の関心に近い文脈に差し替え

部活・音楽・スポーツなど、中学生が日常で触れる話題の文に置き換えます。同じ文法項目でも、記憶への定着率が変わります。

印刷・記入を想定したレイアウト調整

解答欄の幅・行間・問題番号の位置を、実際に手書きで答えることを前提に整えます。

自分で手直しするなら: 問題を「基礎・標準・応用」の3グループに分けて番号を振り直すだけでも、難易度設計の効果は出ます。完璧でなくていいので、まず構成を見直すことから始めてみてください。

小学国語「説明文の読解」 - AI生成問題が「読む力」を測れない理由

AI生成版(そのまま)の問題点

問いが「探せば答えが見つかる」設計になっている

AIが作る読解問題の多くは、本文中の特定の一文をそのまま抜き出せば答えられる形式になりがちです。「読む力」ではなく「見つける力」を測る問題になってしまいます。

選択肢の精度が低い

選択肢問題では、「明らかに違う選択肢」と「正解」の2択になってしまうことが多いです。正しい選択肢問題は、どれも一見正しそうに見える「ひっかかりやすい選択肢」を含む必要があります。

解説がない、または長すぎる

AIは解説を省略するか、逆に詳しすぎる解説を生成する傾向があります。小学生向けには「なぜ正解か」を1〜2文で端的に説明する解説が適切です。

プロ手直し版での改善ポイント

「考えさせる問い」への再設計

本文を読んだうえで自分の言葉で説明する記述問題や、複数の段落を比較して答える問いに差し替えます。学習指導要領が求める「思考力・判断力」に対応した設計です。

選択肢のバランス調整

正解に近いが微妙にずれている「惜しい選択肢」を意図的に配置します。誤答を誘発することで、理解の曖昧な箇所を可視化できます。

学年に合った解説の粒度

「どこを読めばわかるか」「なぜ他の選択肢は違うか」を、対象学年の語彙レベルに合わせて書き直します。

自分で手直しするなら: 選択肢を見直すときは「正解に一番近い惜しい選択肢」を1つ意図的に作ることを意識してください。「全部間違ってる」選択肢だけでは、理解の曖昧さが可視化できません。

高校数学「微分の応用」 - AI生成問題集で生徒がつまずく3つのポイント

AI生成版(そのまま)の問題点

計算過程の誘導が不足している

AIが生成する応用問題は、解答の正誤は確認できても「どこでつまずいたか」がわかりにくい形式になりやすいです。途中の計算過程を示す誘導問題((1)→(2)→(3)の段階的設問)が設計されていません。

実際の入試問題との乖離

AIは一般的な問題を生成しますが、実際の大学入試や定期テストで出やすい出題パターンとは異なることがあります。過去問の傾向を踏まえた設計にはなっていません。

数式のレイアウトが崩れる

テキストで出力された数式(f'(x) = 3x^2 - 2xなど)は、そのまま印刷すると読みにくいです。数式は適切な組版処理が必要です。

プロ手直し版での改善ポイント

誘導問題の追加

最終的な解答にたどり着くための中間ステップを設問として追加します。「(1)f(x)を微分せよ (2)f’(x)=0 となるxを求めよ (3)増減表を完成させよ」という形式です。

頻出パターンへの調整

定期テスト・共通テスト・志望校の出題傾向に合わせて問題を選別・調整します。汎用的な問題集ではなく、その生徒・そのクラスのための問題集になります。

数式の適切な組版

Word・LaTeX・Googleドキュメントなど、使用環境に合わせて数式を整形します。

自分で手直しするなら: 大問の前に「(1)→(2)→(3)」の小問を1セット追加するだけで、生徒がどこでつまずいたか特定しやすくなります。問題数を増やすより、誘導の流れを作ることを優先してください。

AIだけでは到達できない「3つの品質要素」

AIと人間の品質の違い

3教科の比較を通じて見えてくるのは、AI生成教材に共通する3つの限界です。

1. 学習者目線の難易度設計

AIは「平均的な問題」を作ることは得意ですが、「このクラスのこの生徒が今つまずいている箇所」に合わせた設計はできません。難易度の段階設計・誘導の有無・問いの深さは、使う場面と使う生徒を知っている人間が調整する必要があります。

2. 誤答を活かす設計

良い教材は、正解に導くだけでなく「どこで間違えやすいか」を設計に組み込んでいます。ひっかけ選択肢・よくある誤答パターンへの対応・誘導問題の配置は、学習設計の経験がある人間にしかできません。

3. 実際に使う場面を想定したレイアウト

印刷して手書きで使うのか、タブレットで使うのか。記入スペースの大きさ・フォント・余白は、使用場面を具体的に想像しながら調整する必要があります。AIはテキストを生成しますが、「使われる場面」を持っていません。

なお、代行サービスの料金感が気になる方は「教材作成代行の料金相場と依頼先の選び方」も合わせてご覧ください。

あなたの教材も、ワンランク上に

AIを使えば教材の「素材」は数分で揃います。しかし、その素材を生徒が実際に学べる教材に仕上げるには、設計・編集・レイアウトの工程が必要です。

私たちの教材作成代行サービスでは、AIによる高速生成・AI自動レビューによる問題箇所の検出・人による最終確認という工程を経て、すぐに授業で使える教材をお届けしています。

難易度設計・誤答の活かし方・レイアウトの3点。これらをまとめて代行するのが私たちのサービスです。「AIで作ったけどイマイチだった」という教材があれば、そのまま持ち込んでください。